出張旅費の経費精算

帳簿のみ保存

立替金精算か、非課税給与か

出張旅費精算のインボイス対応は大きく分けて2つです。どちらの対応となるかは、旅費規程の定め方に従います。インボイス制度をきっかけとして、旅費規程の制定、改定を検討してはいかがでしょうか。

1.立替金の精算

社員が立替払いした出張旅費を後日精算するという方式です。

社員が会社宛のインボイスを受領していれば特別な対応は不要ですが、社員宛のインボイスになっている場合は立替金精算書等の対応が必要です。

なぜかというと、適格請求書等の記載事項のうち「⑥交付相手先名」が会社ではなく社員の名前になってしまうからです。このままでは会社は仕入税額控除をとれません。そのため、立替金精算書等の対応を行い、「⑥交付相手先名」を会社に読み換える必要があります。

 ① 発行者名と登録番号

 ② 取引年月日

 ③ 取引内容

 ④ 取引金額と消費税率

 ⑤ 消費税額

 ⑥ 交付相手先名

なお、一般的な経費精算手続きを経ていれば立替金精算書等の対応はできているとされます。個人事業主や小規模法人などは経費精算の書類が不十分だったりしますが、インボイス制度は形式要件ですので、きちんと対応しましょう。

2.出張旅費等の支給(非課税給与)

もうひとつは、出張旅費等等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)として社員に非課税給与を支給する方法です。所得税基本通達9-3(非課税となる旅費の範囲)に該当するものが対象となります。

出張旅費等の支給は、消費税法上、会社と社員の取引として取り扱われますので、会社は課税仕入を認識できます。ところが、通常社員はインボイス登録事業者ではないので、インボイスを発行できません。そこで、「帳簿のみ保存」という特例の対象となっています(出張旅費特例)。

「帳簿のみ保存」にはいくつか種類があるのですが、帳簿に一定の事項を記載することにより、インボイスがなくとも仕入税額控除が適用できます。

例えば、同じ「帳簿のみ保存」の対象である「公共交通機関特例」というものがありますが、これは取引金額3万円未満である公共交通機関の旅客運賃等に限られます。一方で「出張旅費特例」には3万円の金額基準はありませんし、公共交通機関ではない飛行機代なども対象となります。

立替金の精算とする場合は、会社と交通機関等との取引に該当するので、「出張旅費特例」の適用はありませんが、「公共交通機関特例」は適用できます。

なお、出張旅費等の支給は定額でないといけないというルールはありません。実費相当額を出張旅費等として支給しても構いません。

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